since 2010/9/7 last update 2012/9/3

喫煙率・禁煙者数推定方法
洲本市禁煙専門外来&洲本市禁煙支援センター
ホームページで使用している推定喫煙率、推定禁煙者数の算出根拠などについて記載しています。

もくじ

先月の喫煙率
公式発表の喫煙率
喫煙率の推定方法
直近の推定方法
禁煙者数の推定方法
ホームページでの利用方法



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先月の喫煙率

先月2012年8月の喫煙率は次のように推定しました。

●方法1  洲本市応急診療所受診者喫煙率から予測した結果


(相関式から計算)
男性 30.1%
女性 9.0%
JT
(相関式から計算)
男性 32.3%
女性 9.7%
洲本市応急診療所7月
(2〜8月平均、年齢調整後)
男性 30.2%
女性 8.8%


●方法2  国、JT調査の喫煙率将来変化を近似して予測した結果


(近似式から計算)
男性 30.6%
女性 7.8%
JT
(近似式から計算)
男性 32.4%
女性 9.7%
 −

直近の洲本市応急診療所喫煙率の変化や社会情勢を勘案して、2012年8月の喫煙率推定値については、国・JTともに男性は方法2、女性は方法1を採用して、ホームページに掲載しました。
なお、2010年10月のタバコ値上げから1年経過したこと、2010年11月に国の調査した喫煙率が2012年1月末に公表されたことから、2012年1月推定分より相関式・近似式ともに推定方法を再度見直しています。
 →詳細はこちら「直近の推定方法」をご覧ください
 2010年10月のタバコ値上げで10月の男性喫煙率が急減して、一時的に3割を下回っていた可能性もあると思われました。
 その後、2011年3月の震災の影響によるJT製タバコの3/30〜4/10の出荷停止や、23銘柄の出荷停止などの影響、さらにファイザーの禁煙CMの再開による喫煙率低下効果に期待していましたが、その後の喫煙率は横ばいで、自然減少分、下げ止まっているとも言えるかもしれません。2012年3月から始まっているファイザーの新しい禁煙CMの効果にも期待したいと思います。
 なお、2011年の洲本市応急診療所受診者の年齢調整喫煙率は、男性32.2%、女性9.4%で確定しました。(年平均では男性は減少傾向、女性は横ばいという結果ですが、月別の推移をみると上述のように期待されたほど減っていないということになります。)

 厚労省の2010年11月調査の喫煙率が2012年1月末に公表され、男性32.2%、女性8.4%という結果でしたが、これはタバコ値上げ直後の最も低い喫煙率を表していると考えられます。
 また、JTは2012年5月の喫煙率調査の結果を公表し、男性32.7%、女性10.4%という結果で、過去最低と評価されていますが、JTはタバコ値上げ直後の喫煙率を調査しておらず、調査していればもっと低い喫煙率だった可能性があり、現状では予測されたほど喫煙率は減っていないと言えると思います。

洲本市応急診療所受診者の月毎の喫煙率(
水色グラフ)、前後1年平均喫煙率(青色グラフ)、全国調査の国(赤色グラフ)・JT(緑色グラフ)の喫煙率を最近10年間で重ねて表示したのが下のグラフです。(点線グラフは推定値で、洲本市応急診療所の喫煙率から相関式により予測)
青色グラフの洲本市応急診療所受診者喫煙率は前後1年平均ですので、喫煙率の底と思われる2010年10月には男性喫煙率は3割を切っていた可能性があります。
喫煙率が低い数値を維持できなかった原因は、日本がタバコを吸いやすい環境にあることが一つの大きな要因だと思われ、受動喫煙の防止のためだけでなく、喫煙率をさらに下げるためには禁煙場所の拡大を進めていく必要があります。





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公式発表の喫煙率

全国規模の喫煙率は、国(厚労省)とJTが発表しており、最新のデータのページには、洲本市禁煙支援センター・タバコ関連データ集のページからリンクしていますので参考にして下さい。過去の喫煙率データは厚労省・最新タバコ情報のページによくまとまっています。
 →成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)
 →成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)
両者の調査には一長一短あります(下表)。同じ年の喫煙率を比較すると、国よりJT調査の方が高い傾向にありますが、これは喫煙率が減少している現状の中で、同一年の調査であっても調査月が国(11月)よりJT(最近は5月)の方が早いという事情以上に、有意に高くなっています。

  国(厚労省) JT
調査月 毎年11月
(国民栄養調査)
毎年5〜8月
(2007〜2010、2012年は5月、2011年は8月)
公表 1年後 2〜6か月後
調査年齢 20歳以上10歳毎
70歳以上まで
20歳以上10歳毎
60歳以上まで
年齢調整 なし あり
調査対象
および標本数
国民生活基礎調査により設定された単位区から無作為抽出した300単位区内の世帯及び当該世帯の1歳以上の世帯員(4000世帯、9000人程度) 全国成年男女
32,000人(2005年まで16,000人)に依頼
回収率 ?(未公表) 58〜65%
(2005年以降)
サンプリング方法 層化無作為抽出法 層化二段抽出法
調査方法 留め置き法による自記式質問紙調査 郵送依頼・郵送回収法
(2005年まで郵送依頼・訪問回収法)
洲本市禁煙専門外来&洲本市禁煙支援センターまとめ


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喫煙率の推定方法

喫煙率の推定方法について、第5回日本禁煙学会学術総会(松山、2010年9月19日(日)〜20日(月・祝))で発表(ポスター)しましたが、内容は以下です。
 →第5回日本禁煙学会学術総会(松山)ポスター「応急診療所受診者の喫煙率から全国の喫煙率を推定できるか?」(PDFファイル833KB)(パワーポイントをPDFにしたもの)
※最近の数値を反映した最新の推定方法については次項に記載しています。


喫煙率の推定方法についての概略を以下に記載します。

目的
喫煙率の全国調査には国の国民栄養調査とJTの調査がありますが、年1回しかないうえ、国の公表は遅く、JTの結果は高く出る傾向にあり60歳以上の喫煙率はひとまとめにされているなどの欠点があります。それら欠点を補うために、洲本市応急診療所の受診者の喫煙率から全国の喫煙率を推計できるかどうか検証し、未発表の全国の喫煙率や、月毎の喫煙率を推定し、ホームページに掲載公表することにしました。2010年10月に大幅値上げが実施されて今後、喫煙率の急激な変化が予測されることから、このような試みは特に価値があると考えました。

方法
洲本市応急診療所は、平日夜間と日祝日に診療を行う年中無休の一次応急診療所です。本調査の対象は洲本市応急診療所の2001年8月から2010年7月までの受診者のうち、問診票から喫煙の有無がわかる成人13,282名としました。
まず、受診者の喫煙率を全国喫煙率を比較するにあたって、性別、年齢、病名の調整が必要か否かを検討しました。
性別、年齢については全国との間で有意に差があり、調整が必要とわかりました。
病名については、喫煙率に影響がある病名があったとしても毎年同じ比率で受診していれば、相関関係を算出する上では調整の必要はありませんが、粗分析で喫煙と有意に関係がある5病名について年毎の有意の変動(4病名でp<0.001、1病名でp=0.004)があり、調整が必要とわかりました。
以上から、洲本市応急診療所の受診者について、調整をしない場合、年齢調整のみした場合、年齢と病名を調整した場合について、全国の国(厚労省)、JT喫煙率との相関関係を検討しました。

その結果、男性は年齢のみ調整した場合が喫煙率推定に最も適切と考えました。女性は喫煙率が低値で変動が少ないためか有意な相関関係はありませんでしたが、男性同様年齢調整後喫煙率を使うことにしました。
(ちなみに男性はJTと国の間にも有意な相関関係がありましたが、洲本市応急診療所との間の相関係数の方が高くなりました)

相関直線をみると、男性喫煙率については、JT喫煙率との間には高低かかわらず良い相関ありJTの方がやや高い喫煙率になっています。国喫煙率とは喫煙率が高い間は国の方がやや低く、低喫煙率ではやや高い傾向にあります。
女性喫煙率はいずれの間にも相関関係は明確ではありません。
年齢別の分析では、男性は20代、30代のJT,国双方の喫煙率との間と、国の70歳以上との間に有意な強い相関があり、女性は国の20歳代喫煙率との間だけに有意な強い相関があり、これらの年代では応急診療所の喫煙率からの推定が可能と考えられました。女性の20歳代に有意な相関関係があったのは、他の年代よりも喫煙率の変動が大きかったからだと思われます。ちなみにJTと国の間では男性は20代、30代、60歳以上に有意な強い相関がありましたが、女性はいずれの年代にも有意な相関関係は認められませんでした。

結果
以上から、国、JTの喫煙率を洲本市応急診療所受診者の喫煙率から推定しました。
赤字が推定値 青字は実測値

2010年10月の値上げ後については、1箱300円から110円値上げとして、価格比+36.7%として計算し、さらに、最近10年間の喫煙率変化の直線回帰から、2003年と2006年の値上げの影響(価格弾力性-0.4で1年後に喫煙率減少効果が出ると仮定)を取り除いた年喫煙率自然減少分を応急男0.99%、国男1.01%、 JT男1.38%、応急女0.17%、国女0.00% 、JT女0.18%と計算して加えて、1年後の予測喫煙率として算出しています。

また、洲本市応急診療所の月毎の喫煙率と、全国喫煙率を最近10年間で重ねて表示すると下のようなグラフになります。


月別喫煙率(年齢調整後、
水色グラフ)については、洲本市応急診療所の月受診者数が少なく(成人男性月平均56.2人(19〜182人)、成人女性月平均66.8人(26〜203人))変動幅が大きいため、前後1年(当月中心13か月)の平均値(青いグラフ)を示しました(ただし直近6か月以内は当月半年前以降現在までの平均になります)。JT喫煙率、国喫煙率は実際に調査が実施された月の位置でグラフを表示しています。過去の値上げによる喫煙率減少効果は一定でなく予測は難しいのですが、1年後に価格弾力性-0.4で減少すると仮定してグラフ上の推計値を示しています。

最近の喫煙率の推定
最近の喫煙率の推定方法には下の2方法があります。

方法1 最近の洲本市応急診療所受診者喫煙率から相関関係を利用した予測
 長所:相関性は高いので現実の直近喫煙率を反映できる可能性あり
 短所:半年程度の平均値を使用するため反映が遅れる

方法2 国、JT調査の喫煙率将来変化を近似して予測
 長所:将来推定喫煙率を一応決めることができれば予測は容易
 短所:近似方法が不適切だと現実の喫煙率からずれる可能性

両方の推定方法で喫煙率を算出して、最近の喫煙率変化から現実に近いと思われる方を喫煙率予測値としてホームページに公開することにしました。
方法2の近似は、下図のように1年後に価格弾力性-0.4で喫煙率が減少すると仮定し、近似曲線を引きました。近似式は現実の直近の喫煙率変化に最も近いと思われた5次多項式を採用しました。
(国、JTともに実際に喫煙率調査が実施された月にプロットしています)



たとえば、2010年8月の場合、以下のように算出されました。

●方法1  洲本市応急診療所受診者喫煙率から予測した結果


(相関式から計算)
男性 37.0%
女性 9.2%
JT
(相関式から計算)
男性 38.2%
女性 12.0%
洲本市応急診療所8月
(2〜8月平均、年齢調整後)
男性 35.3%
女性 8.0%


●方法2  国、JT調査の喫煙率将来変化を近似して予測した結果


(近似式から計算)
男性 37.2%
女性 9.4%
JT
(近似式から計算)
男性 33.7%
女性 11.5%
 

直近の洲本市応急診療所喫煙率の変化や社会情勢を勘案して、2010年8月の喫煙率推定値については、国は方法1、JTは方法2を採用して、ホームページに掲載しました。




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直近の推定方法

2012年1月以降に見直した推定方法です。
JTが2011年8月に調査した喫煙率の結果や国が2010年11月の調査結果を2012年1月末に公表した数値および洲本市応急診療所受診者の2011年喫煙率が確定したことを考慮して相関式、近似式を見直しました。

相関式
JT調査(2011年8月分)の発表をうけて、線形近似式を修正しました。


厚労省調査(2010年11月分)の発表をうけて相関式を見直し、3次多項式による近似としました。



男性同様にJT調査の結果を含めて、より相関性の高い3次多項式による近似に変更しました。

厚労省調査(2010年11月分)の発表をうけて相関式を見直し、2次多項式による近似としました。


近似式
2011年8月にJTが調査した喫煙率と2010年11月に厚労省が調査した喫煙率(2012年1月末公表)を考慮し、また、以前に考慮していた2010年10月のタバコ値上げから1年後の予測数値を削除し、JT・国ともに近似式を見直しました。
女性の厚労省調査分(国)については、より近似性の高い3次多項式に変更し、その他は、これまでの5次多項式に変えて2次多項式を採用しました。







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禁煙者数の推定方法

2010年8月の喫煙率を男性33.3%、女性11.7%と推定し、10月の値上げによる影響を価格弾力性ー0.4として、過去の実際の喫煙率変化から1年後にその喫煙率になるとして、さらに、最近10年間の喫煙率変化から、2003年と2006年の値上げの影響を取り除いた自然減少分を考慮して、2011年8月の喫煙率を男性22.6%、女性9.5%と推定し、8月1日現在の人口推計(総務省統計局)から、今後1年間に禁煙する人数を男性537万9960人、女性119万1740人、合計657万1700人と算出しました。
これをもとにスクリプトで今月の今現在までの禁煙者人数の推計値を表示しています。
1日18,005人が禁煙し、4.8秒に1人が禁煙している計算になります。
今後1年間に平均して男性で毎月0.89%、女性で毎月0.18%ずつ喫煙率が減少していく計算になります。





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ホームページでの利用方法

1.リンクする
リンクフリーですのでご自由にどうぞ

2.インラインフレーム表示する
たくさんされるともしかするとサーバー負荷になるかもしれませんが、たぶん大丈夫でしょう(^^;;。
洲本市禁煙専門外来&洲本市禁煙支援センターのページで表示しているようにするには下記のようにhtmlに記載します。

<iframe frameborder="0" src="http://homepage2.nifty.com/nosmoke/smokingrate/index.html" width="320" height="315" scrolling="NO" name="smokingrate" marginwidth="0" marginheight="0" allowtransparency="true"></iframe>

カウンターは2秒単位で自動計算して表示し、サーバーへの負荷防止のため、10分でカウントを停止します。
今月のタバコ病死者数、今月の禁煙者数のみをインライン表示することもできます。その場合は下記の構文をhtmlに記載して下さい。

今月のタバコ病死者数の構文↓

<iframe frameborder="0" src="http://homepage2.nifty.com/nosmoke/smokingrate/smokemonthlydead.html" width="320" height="20" scrolling="NO" name="smokemonthlydead" marginwidth="0" marginheight="0" allowtransparency="true" align="middle"></iframe>

すると、このように表示されます↓

今月の禁煙者数の場合は↓

<iframe frameborder="0" src="http://homepage2.nifty.com/nosmoke/smokingrate/monthlyquitsmoke.html" width="320" height="20" scrolling="NO" marginwidth="0" marginheight="0" allowtransparency="true" align="middle"></iframe>

すると、このように表示されます↓

width="320" height="20" の部分は、貼り付けるHPの状況で適当に変えて下さい。


3.自分のHPにスクリプトを設置する
htmlファイルの構文を直接見て頂いて(IEだと「表示」-「ソース」)、該当するスクリプト構文をコピペして使って下さい。その場合は、もとになる数値(WHO発表の年間タバコ病死者数や年間推定禁煙者数)が変わった場合は、ご自分で変更修正して頂かないといけません。

今月のタバコ病死者数
http://homepage2.nifty.com/nosmoke/smokingrate/smokemonthlydead.html
今月の禁煙者数
http://homepage2.nifty.com/nosmoke/smokingrate/monthlyquitsmoke.html